世界との出会い66(総合的含意)
⚫︎スペルベルとウィルソンの『関連性理論』
というコミュニケーションの理論の中に、分析的含意と総合的含意という概念が出てくる。分析的と総合的という区分はグライスを通ってカントに由来するものだが、分析的判断は、本来、ある概念の中に元々含まれるている意味を取り出す作業であり、総合的判断は、ある概念の中に含まれるといるというよりも、概念を他の概念と統合して生み出す作業である。コミュニケーションにおいても、新たな外延を生まない分析的含意と、以前は存在しなかった判断を含む総合的含意が存在する。コミュニケーションにおいては、発話の当事者同士に背景知識が必要だが、そのような知識は、チャンクと呼ばれる塊のかたちで、記憶装置の中に保存されているという。
チャンク同士が結合した時に総合的含意が生まれることになるが、それはその時に捉えないと二度と出会えないかもしれない。簡単に言い換えると、どんな小さな閃きでも、メモっておいた方がいいと言うことだろう。もう二度と出会えないかもしれないから。
世界との出会い65(言語の学習)
⚫︎言語の学習、言語使用の訓練はいつ何処ででもできる。一日中一言も発しない人はほとんどいないのではないか。人の話を聞き、喋るときや、本や新聞・雑誌を読む時は、誰にも訪れる。その気になれば、4技能を磨くチャンスは、ここそこにある。
世界との出会い63(両義性)
⚫︎曖昧なものと、曖昧でないものつまりはっきりしたもの とのバランスを取ることが、大切ではないだろうか。現実に起こっていることというのは、概して曖昧なものである。効率を追い求める管理社会においては、はっきりとしたことが優先されがちで、曖昧なものは切り捨てられることが多い。昨今は、
曖昧なものへの耐性も低い。はっきりしていないと気がすまない人も多いのではないだろうか。もちろん、はっきりしていないと困ることもあるが、それが全てではない。両義性へ正当な認識を忘れてはならないと思う。事態の変化の真相は、(白⇄黒)のような比喩で表されるのではなくて、(白⇄薄い灰色⇄灰色⇄濃い灰色⇄黒)のような比喩で表されるのである。
世界との出会い62(評価について)
⚫︎評価ということについて考えてみると、様々なものがある。
世界との出会い61(問題解決について)
⚫︎いわゆる「頭の良さ」と記憶力の関わりは深い気がする。何故なら、問題を解決する際に、人は知識を活用するが、その知識は、記憶によって脳内に保持されているようだからである。単純な問題を解くには、殊更、大量の知識は必要ないかもしれないが、複雑な問題を解くには、それ相応の量の知識がいるのではないか。但し、問題を解こうとする意欲や情熱が無ければ、いくら知識が豊富でも問題は解けない。問題解決には、更に、判断力や構成力や計画力なども絡んでくるので、単にスタティックな問題ではない。非常にダイナミックな問題である。