世界との出会い20


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⚫︎哲学的概念は、自分即ち私が、思考する為にある。私の周囲に展開する世界を理解し、それと折り合いを付けるため、それと闘う為にある。

⚫︎あなたのまえに、箱がある。その中には、何が入っているか分からない。ひょっとしたら、何も入っていないかもしれない。あなたの周りの人たちは、いいものが入っているとか、悪いものが入っているとか、何も入っていないとか、様々なことを言う。その箱には、蓋も繋ぎ目もないので、中を覗くことはできない。あなたには、中身が、皆目分からないが、いいものが入っていると言う人たちに出会うと、そう思えてくるし、悪いものが入っているという人たちは会うと、そう思えてくる。何も入っていないと、言いはる人の話を聞くと、そうとも思えてくる。

⚫︎大澤真幸の『現代宗教意識論』(弘文堂 2010年)を読んでいて、ふと疑問に思ったこと。一つは、仮説はどのようにして生まれるのか、という疑問。推測、投射、直感からか、理論とのキャッチボールからか。もう一つは、問題を根本的に解決する鍵はバランスであるということ。まず、バランスの認識が必要。そしてバランスが要求される双方に対する認識が必要。つまり、適切な弁証法的な判断が必要。次に、バランスを実現する実践が必要。