世界との出会い74(マシン)
世界との出会い73(燕)
⚫︎燕という鳥には、毎年毎年驚かされる。その飛ぶことへの適応の見事さに。翼と嘴と尻尾が風を切る見事さに。三羽から五羽くらいが旋回しながら、すごい速度で初夏の空を横切る。彼らの飛行の軌跡は幾重にも交わっているように見える。しかし、急上昇、急下降、方向転換、素早い羽ばたきによって、決してぶつからない。この黒い風の動きには、人間のテクノロジーは、まだ全く追いつけないのである。
世界との出会い72(アイロニカルな没入)
世界との出会い71(自由)
世界との出会い70(東浩紀を読んで)
⚫︎旅によって環境を変えることは既知の関係ー人との関係と物との関係(例えば、マトリョーシカ)ーに新しい視点をもたらしてくれる、というのは、特段珍しい考え方ではない。しかし、ネットに繋がれっぱなしで動きの少ない人たちには強調されるべき点なのだろう。著者の実感からのことばは読者の理解を促すのではないだろうか。
⚫︎旅に出ても、検索を続けられるようにネットへの接続は維持するが、人との繋がりは切断する。これも旅の目的を考えたらあたりまえだが、習慣からの脱出はなかなか難しい故に強調も必要だろう。
⚫︎平野啓一郎の「分人化」概念への批判の中
に、分人から分人への切り替えは、しんどいとの言及があるが、この概念が強固なアイデンティティー希求とそれから生まれる苦悩へのアンチテーゼである点も忘れられないのである。アイデンティティー希求と分人もバランスを取り合うべきものではないか。
世界との出会い69(三つの驚異的存在者)
⚫︎人間の世界に存在する最も驚くべき存在者は、
①宇宙(universe)
②生命(life)
③言語(language)
である。
⚫︎これら三つのカテゴリーは、個物ではない、普遍的存在者である。宇宙そのものも、生命そのものも、言語そのものも、それ自体としては存在しない。
⚫︎あるのは、星雲や恒星や惑星や小惑星など、様々な種類の動植物など、人々の間を行き交う意味に溢れた音声や文字やテキストなどである。
⚫︎これら三つには、包含関係が考えられる。宇宙が生命を含み、生命は言語を含む。言語は生命の中で生まれ、生命は宇宙の中で生まれた。これら三つに共通することは、全てが、 目が眩むほど複雑であると同時に目を瞠るほど美しく多様であるということである。
⚫︎時間的には、宇宙が最も古く、その時間経過の中で生命が生まれ、更に生命が進化する中で、言語が生まれた。
⚫︎これら三つは、その起源を考えても、その発生をはっきり目撃することができないという意味で、謎である。これらの驚くべき存在者は奇跡であり、そうであるが故に、哲学的探究と科学的探究の最も深い動機となっている。
⚫︎脳や意識や身体もこの奇跡的存在者の中に加えてよいかもしれない。これらもまた驚異的なものである。
世界との出会い68(ポール・マッカートニー)
⚫︎ポール・マッカートニーの東京ドームライブは、ビートルズ、ウィングス、NEWからのいつもの楽しい定番曲が目白押しだったが、ここ数年のライブでは演奏されてない曲で印象的だったのは、アコースティックギターを持ってのYou won't see me。ポールの曲らしい明るい、爽やかなメロディー。これが聴けたのもよかった。この曲を作るきっかけのようなことを語ってから歌い始めた。
リンゴが歌うBoysも初お目見得で楽しかった。元気なポールはみんなに元気をくれる。