2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

世界との出会い40

⚫︎伊藤若冲は、流派に(多分)属することがなかった分、自然の観察に多くの時間を費やすことができたのだろう。それによって、自然的存在者の構造が細部まで切れ目ないことを知ったのではないか。彼もまた、彼の身体が掴んだ世界を、我々に展示して見せてく…

世界との出会い39

⚫︎古本屋で100円くらいで買った文庫だが、流石に、この著者による著作、読み応えのある内容である。注の欄にホィストというカードゲーム(トランプ)の遊び方を詳しく説明してあるところなど興味深い。とっても安いが、内容の素晴らしい本に出会えるのが…

世界との出会い38

⚫︎人間の顔に現れる微笑みという現象は何だろう。(取り合えず)主体(と呼ばれるもの)と対象がどのような関係にある時、主体の側に微笑みが生まれるのか。 内容的微笑み、つまり本当の微笑みと形式的微笑み、つまり格好だけの微笑みがある。真の微笑みとは…

世界との出会い37

⚫︎知性の働きとは、まずは分けること。全体を部分に分けることと、賛成部分と反対部分に分けること。それができないところには、知性はない。(Function of intellec is at first to divide. To divide the whole into the parts, what we can be for and wh…

世界との出会い36

⚫︎understand(理解する) について。なぜ理解するが「下に立つ」ことなのか。それは基底を知ること。自動車の構造も底を見ないと解らない。山もビルも遠くから見ているだけでは、その内部は分からない。下まで行って、間に入らないと解らない。

世界との出会い35

⚫︎子どもの望むことは、愛情から出た優しさと厳しさ。一見相反するように見えること。 (What children want are tenderness and strictness out of love to them, which looks right opposite at first sight.)

世界との出会い34

⚫︎マクロな動きもミクロな動きに直結している。ミクロな動きがなければ、マクロな動きもない。このマクロとミクロの動きは、相互影響的である。(Macroscopic movements are directly linked to microscopic ones. There cannot be any macro movemets witho…

世界との出会い33

⚫︎学問とは、概念装置を使って世界を理解すること。 (Studying something is to understand the world by using sets of concepts.) ⚫︎学問をするとは、内部に深く入ると同時に、外部を持つこと。(Doing studies is not only to get deeply into the ins…

世界との出会い32

⚫︎子どもに、英語を習わせることには、基本的に反対だが、賛成するとすれば、ある条件の下にである。それは、もっと日本語を習わせるということである。今よりもっと日本語の教育を充実させれば、英語の学習にも意味が出てくるだろう。母語というのは、先ず…

世界との出会い31

⚫︎過剰な便利さは人を粗雑にする。(Excess of covenience makes people rougher.)

世界との出会い30

⚫︎あるものを極端に推し進めると、真反対のものになってしまう。 ⚫︎全て白にすると結局黒と同じものになってしまう。⚫︎自由を極端まで推し進めると不自由になってしまう。 ⚫︎平等を形式的に推し進めると不平等になってしまう。

世界との出会い29

⚫︎知識は、人に安心を齎(もたら)す面と、不安を齎す面がある。例えば、森で蛇に出会っても、顔の両側面が膨らんでいなければ、毒蛇でないと分かる。その場合、不安は減るだろうが、膨らんでいる蛇なら、不安が増す。

世界との出会い28

⚫︎人間関係においては、「お互い様」という感覚がとても大事。何事かをする場合も、される場合も。私も困るし、あなたも困る。あなたも嬉しいし、私も嬉しい。こういう感覚。つまり、他者の立場に立つということ。 ⚫︎「心の理論」とは、簡単に言うと、対人…

世界との出会い27

⚫︎公共生活に先ず必要なのは、理性。公共生活を可能にしている規則を理解できるだけの認知能力。それに加えて、理性を発達させるだけの教育。理性と広い意味の教育は切り離せない。

世界との出会い26

⚫︎矢張り、言葉が無ければ、概念は存在しえないだろう。言葉以前に概念があると思うのは錯覚だろう。言葉が概念を摑み出すと言えば、誤解を与える。言葉と概念は、同時成立。もっと正確に言えば、言葉の方が、ちょっと早いのではないか。概念には文による説…

世界との出会い25

⚫︎日々の習慣の我われへの影響力の大きさを実感させるのは止まっているエスカレーター。(It is an escalator which doesn't move that makes us realize deeply how much influence habits in our daily life have on us.)

世界との出会い24

⚫︎物と物の間に働く因果律と人間と人間の間に働く因果律とは、全然違う。(The law of cause and effect between one thing and another is completely different from the one between people. )前者➡︎(物→物)the former➡︎(thing→thing)後者(人⇄人1…

世界との出会い23

⚫︎バランスとは、達成条件のことである。自然界においても、人間社会においても、ある事象が顕現するのには、適切な条件が存在する。多くの場合、その条件は単一ではない。複数の条件が相互に作用しあって、ある事象が生まれる。その時、それらの条件の量と…

世界との出会い22

⚫︎図書館という場所は、ある意味で、世界や宇宙より広い。何十冊もある宇宙についての本には、宇宙自身が知らないことが記述されている。文字、単語、文、絵画、写真などの多様なメディアによって表現される世界は、宇宙より広い。もちろんそれは、客観的精…

世界との出会い21

⚫︎科学技術に対しては、人間は、懐疑主義的態度を忘れない方がよい。(It is good for people not to forget a skeptical attitude to scientific technology.)⚫︎科学の技術化は必ず、正の部分と負の部分の両方を含んでいるから。(Application of science…

世界との出会い20

⚫︎哲学的概念は、自分即ち私が、思考する為にある。私の周囲に展開する世界を理解し、それと折り合いを付けるため、それと闘う為にある。⚫︎あなたのまえに、箱がある。その中には、何が入っているか分からない。ひょっとしたら、何も入っていないかもしれな…

世界との出会い19

⚫︎『生き方を探し求めて』大谷ノブ彦、平野啓一郎 (カドカワ新書 2016年)を去年の年末に読んだ。平易に読めて、とても大切なことが書いてあった。例えば、次のような個所。P55「平野:いいことと悪いことの区別がつくようになるのも大事だけど、「程…

世界との出会い18

⚫︎『数 その意外な表情』ラインズ (岩波書店 1988年)。数の性質について様々な角度から平易に述べた本。ある頁に書いてあったことをちょっと整理すると下の様になる。P20 3➡︎素数(整理で割り切れない) 31➡︎素数 331➡︎素数 3331➡︎素数 …

世界との出会い17

⚫︎バランスを考える時に、参考になるのは、綱渡り。細い綱の上を持続的に歩くにはまず、左右の力のバランスを考えなければならない。右に倒れそうになったら、左への力を加えなければならない。その逆も当然必要。相反するものでバランスが必要なのは下の様…

世界との出会い16

⚫︎『思想をかたちにする 上野千鶴子対談集』(青土社 2015年)を読んでいる。イマニュエル・ウォーラーステインを引いて、P161「…複数の世帯員が小銭をかき集めて、持ち寄り家計で助け合って生きるのが、次世代型のサバイバルだと。わたし(上野)は…

世界との出会い15

⚫︎読書は、よりよく生きる為の糧となる。(Reading books is food for living better.)⚫︎一番大切な事は、生き抜くこと。(What is the most important is to survive.)

世界との出会い14

⚫︎イスラム教徒は、いわゆる、霊(魂)的体験を持つのだろうか。この場合、霊的体験とは、ある人物に誰かの霊魂が取り付いていると言った類いの話である。オカルト的な事象と言っていいかもしれない。このような現象の存在を信じる人もいるし、全く信じない…